白質疾患とは?原因・症状・診断・治療のまとめ
概要
白質は中枢神経系の重要な構成要素で、脳内の各領域を結ぶ神経線維(軸索)を包むミエリンが集まっています。白質疾患は、血流障害や遺伝的要因によりミエリンが損傷し、脳機能に障害をもたらす状態です。主に乳幼児期に症状が現れ、頭部外傷や感染で症状が顕在化することがあります。
原因と機序
代表的な原因はEIF2B遺伝子群(5つのサブユニット)に対する変異で、これによりタンパク質合成が障害されます。感染、発熱、外傷などのストレスが加わると、白質の機能が急激に低下し、幼児期失調症や白質消失症(Vanishing White Matter disease)として現れます。診断は主にMRIで白質の変化を確認します。
主なタイプ
白質疾患にはいくつかのタイプがあります。
・白質消失症(VWM):ミエリンが徐々に失われ、発症は幼児期が多い。
・アレクサンダー病:ミエリンが全く形成されず、神経細胞の変性が早期に起こる。
・クレブラー病(Krabbe disease):ミエリンが不完全に形成され、成長不良や発作、頭蓋内圧上昇を伴う。
臨床症状
症状は主に幼少期に出現し、以下が典型的です。
・発熱や感染後の急激な症状悪化
・筋緊張の亢進、痙攣、拘縮
・運動失調、歩行困難
・視覚障害や発作、意識障害
・体重増加不良、頭部肥大
進行すると呼吸不全や死亡に至ることがあります。
診断と治療
診断はMRIやCT、血液検査で遺伝子変異を確認します。現在の治療は対症療法が中心で、脳圧を下げる手術やリハビリテーション、感染予防が行われます。幹細胞移植や遺伝子治療の研究は進められていますが、根本的な治癒法は確立されていません。
