溶血性連鎖球菌が喉に与える損傷とそのメカニズム

喉の炎症(いわゆる連鎖球菌性咽頭炎)を直接引き起こす病原体は、Streptococcus pyogenes(通称・グループA溶血性連鎖球菌、GAS)です。この菌は人に様々な感染症を起こしますが、咽頭炎は最も一般的な症例の一つです。

主な毒性因子と喉組織への影響

  • 付着因子(アドヘシン):Mタンパク質やフィンブリオなどの表面タンパクが喉や扁桃の上皮細胞に結合し、菌が定着・増殖しやすくなります。
  • 外毒素(ストレプトリシン O・S):細胞膜を破壊する細胞溶解性毒素で、組織破壊と炎症を誘発し、痛みや腫れの原因となります。
  • タンパク分解酵素:ストレプトキナーゼやヒアルロニダーゼなどが細胞外マトリックスを分解し、菌が組織を浸潤しやすくします。これにより組織損傷が進行します。
  • 発熱性外毒素(エリスロジェニック毒素):猩紅熱に伴う赤い発疹を引き起こすほか、炎症性サイトカインの放出を促進し、発熱や全身症状をもたらします。
  • スーパー抗原:一部の株が産生する強力な毒素で、T細胞を過剰に活性化し、過剰な免疫応答と全身性炎症を引き起こします。

これらの因子が相互に作用することで、喉や扁桃の粘膜組織が損傷し、典型的な症状(喉の痛み、嚥下時の疼痛、発熱、リンパ節腫脹、周囲組織の炎症など)が現れます。

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