糖尿病患者に対するベータ遮断薬の使用
適応症
ベータ遮断薬は高血圧や不整脈の管理に用いられ、心筋梗塞後の治療にも有効です。また、ストレスホルモンが心臓に及ぼす有害な影響を抑えるほか、慢性片頭痛の予防薬としても処方されます。
糖尿病患者への影響
ASCOT‑BPLA試験などは、ベータ遮断薬が血糖異常を有する糖尿病患者に対し、低血圧時の代償反応を阻害し、低血圧の警告サイン(脈拍の増加など)を感知しにくくする可能性を示しました。
さらに、ベータ遮断薬は血糖値を上昇させることが報告されており、心血管合併症の死亡率・罹患率低減には効果的であるものの、糖尿病の発症リスクを約50%増加させる可能性があります(ロンドン・インペリアル・カレッジの研究)。
副作用
一般的な副作用には、めまい、四肢の冷感、倦怠感、口・皮膚の乾燥、息切れ、喘鳴、不眠、体液貯留、むくみなどがあります。
心拍数の低下により眠気や立ちくらみを感じやすく、運動時の呼吸が浅くなることがあります。糖尿病患者では、これらに加えて血糖コントロールが困難になることがあり、低血糖時に血圧や心拍数が上がりにくく、警告サインが現れにくくなります。
注意事項
ベータ遮断薬を服用中の糖尿病患者が薬を急に中止すると、心筋梗塞のリスクが高まります。薬剤の変更は必ず医師に相談し、必要に応じてACE阻害薬など腎臓保護効果があり血糖上昇のリスクが低い代替薬を検討してください。
