尿崩症(DI)の原因
尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌不足や腎臓の反応異常により、過剰な尿量と頻繁な渇きを引き起こす慢性疾患です。これにより睡眠障害や生活の質低下が生じます。
主な原因
脳腫瘍
良性・悪性を問わず、脳内の腫瘍が下垂体や視床下部を圧迫すると、抗利尿ホルモンの分泌が妨げられ、尿崩症を発症します。
頭部外傷
自動車事故や転倒、暴行などによる頭部外傷は、脳の炎症や損傷を引き起こし、抗利尿ホルモンの調整機能が低下することがあります。
ホルモン欠乏
下垂体から十分な抗利尿ホルモンが分泌されない場合、水分バランスが崩れ、尿崩症が生じます。
感染症
脳炎や髄膜炎などの中枢神経系感染は、下垂体や視床下部の損傷をもたらし、抗利尿ホルモンの産生が障害されます。
腎臓疾患
腎臓の構造異常や慢性腎疾患により、抗利尿ホルモンに対する腎臓の感受性が低下し、尿の濃縮ができなくなります。
薬剤性
リチウムやテトラサイクリンなどの抗精神病薬・抗生物質は、腎臓や下垂体に影響を与え、尿崩症を誘発することがあります。
妊娠
妊娠中にのみ現れる尿崩症は、胎児由来の酵素が母体の抗利尿ホルモンを分解することで起こります。
これらの原因は単独で起こることもあれば、複数が重なって発症することもあります。原因が特定できれば、適切な治療や管理が可能です。
