GERDの非定型症状とは

重要性

GERD(胃食道逆流症)は、胸焼けや胃内容物の逆流が代表的な症状ですが、喘息や咳、喉の違和感、歯のエロージョン、心臓由来でない胸痛など、非定型症状でも現れます。これらは診断や治療を遅らせる要因となり、放置すると食道潰瘍や狭窄、歯の損傷、Barrett食道などの合併症を引き起こす可能性があります。

肺の症状

GERDは喘息と強く関連しており、喘息患者の約80%が同時にGERDを併発していると報告されています。胃酸が食道の遠位部感覚神経を刺激し、喘息発作や喘息様症状を誘発します。酸分泌抑制薬で症状が改善する例も多く、慢性的な無痰性咳嗽もGERDの非定型症状としてしばしば見られます。

耳鼻咽喉科の症状

GERDは喉の不快感を引き起こすことがあります。持続的なしゃっくり、慢性の喉の痛み、嗄声(声がれ)、喉に何かが詰まっている感覚などが典型的な非定型症状です。また、嚥下障害(飲み込みにくさ)も起こり得ます。重度の場合、食物が食道に詰まり窒息や激しい胸痛を伴うことがあり、緊急の診療が必要です。

心臓以外の胸痛

GERDによる胸痛は心筋梗塞に似た圧迫感や焼けつくような痛みを伴い、腕や首、顎へ放散することがあります。そのため、毎年多くの患者が救急搬送されます。胸痛がGERD起因かどうかは、心血管疾患や潰瘍・胆嚢疾患との鑑別が必要で、内視鏡検査やpHモニタリングなどの検査が行われます。

診断

新たに耳鼻咽喉科系の症状が出た、喘息や胸痛が悪化した場合はGERDを疑い、病歴・症状・検査を総合的に評価します。診断手段としては、プロトンポンプ阻害薬(PPI)による試験投与、バリウム食道造影、上部消化管内視鏡検査、24時間pHモニタリングなどがあります。非定型症状単独で因果関係を証明することは難しいため、複数の情報を組み合わせた診断が重要です。

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