膝蓋骨除去術で起こり得る障害とは?
膝蓋骨除去術(パテレクトミー)は、重度の膝損傷や慢性的な疼痛の治療のために行われる手術です。術後にはいくつかの機能障害や合併症が生じることがあります。主なリスクは以下の通りです。
1. 大腿四頭筋の筋力低下
膝蓋骨は大腿四頭筋の伸展力を効率的に膝関節に伝える役割を持っています。蓋骨が無くなると筋力が低下し、膝を完全に伸ばすことが難しくなります。その結果、歩行・走行・階段の昇降・しゃがみ動作が制限されます。
2. 可動域の制限
膝蓋骨が欠損すると、膝関節の自然な生体力学が乱れ、屈曲や伸展の範囲が狭くなることがあります。特に深く曲げる動作や完全に伸ばす動作が困難になることがあります。
3. 膝関節の不安定感
膝蓋骨は腱と大腿四頭筋の力を正しい方向へ導くことで関節を安定させています。除去後は膝が揺れやすくなり、踏み外しや脱臼、バク転感が起こりやすくなります。
4. 持続的な疼痛
手術の目的は疼痛の軽減ですが、術後に軟部組織の損傷や神経刺激、関節力学の変化により残存痛が続くことがあります。
5. 変形性関節症のリスク増大
膝蓋骨がないことで関節にかかる力の分布が変わり、軟骨や骨の摩耗が進みやすくなります。その結果、長期的に変形性関節症が発症しやすくなります。
これらの障害の出現頻度や重症度は、患者の基礎疾患、手術手技、術後リハビリテーション、全身状態などによって大きく異なります。手術を検討する際は、整形外科医とリスク・ベネフィット、長期的な予後について十分に相談してください。
