Haemophilus influenzae の歴史とは?

概要

Haemophilus influenzae は世界中に分布するヒト専用の細菌で、主に子どもの目、耳、鼻副鼻腔の感染症や肺炎を引き起こします。特に血清型B(Hib)は髄膜炎や咽頭腫脹を起こす危険性があり、かつて米国で小児細菌性髄膜炎の主要原因でした。この細菌の歴史は19世紀の発見に遡ります。

分離と命名

1890年、リチャード・ファイファーが初めて Haemophilus influenzae を培養し、当時流行していたインフルエンザの原因と考えて命名しました。実際にはインフルエンザ感染で免疫が低下した際に二次的に増殖することが多く、以後のインフルエンザ流行でも同様に検出されました。

ワクチン導入前の状況

1980年代以前、Hib は米国における小児細菌性髄膜炎の最主要因で、年間1万2千〜2万件の感染と約500件の死亡が報告されていました。抗生物質治療により早期診断の子どもは生存率が高かったものの、髄膜炎から回復した約30%が後遺症(神経障害)を残しました。

ワクチン導入後の変化

1980年代に Hib 用ワクチンが開発され、1987年から米国で広く接種が開始されました。その結果、10年後には感染率が95%減少し、1996‑1997年の報告件数はわずか144例にまで低下しました。現在は予防接種を受けていない子どもやリスクが高い集団に限られています。

染色体の解読

1995年、Haemophilus influenzae の全染色体が初めて塩基配列決定され、自由生活微生物としては初の完全マッピングとなりました。この情報はバイオテクノロジーやDNAクローニングなどの研究に活用されています。

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