アルコール依存症の定義
定義
米国国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)によれば、アルコール依存症は「飲酒の制御が困難、強迫的な飲酒、飲酒への執着、耐性、離脱症状」の2つに分類されます。飲酒障害は、短期間に大量に飲む(ビンジ飲酒)や、社会的機能が失われるまで飲む、あるいは危険な状況での飲酒を指します。
アルコール依存症の発症原因
ウェイクフォレスト大学の包括的研究は、アルコール依存症が発達障害であることを示しています。つまり、発症のきっかけは幼少期にさかのぼります。遺伝子だけで運命が決まるわけではなく、遺伝的素因と環境要因が相互作用して発症します。遺伝的に依存しやすい人でも、適切な環境で育てば依存行動は抑えられます。
飲酒の動機
飲酒の理由は多様です。幼少期にアルコールに触れた人は、成長とともにビンジ飲酒へと移行しやすくなります。未成年の飲酒禁止が禁断感やスリルを刺激し、危険な行動につながることもあります。また、不安緩和、快楽追求、うつ症状の緩和といった心理的要因も大きく影響します。
アルコールが体に及ぼす影響
ウェイクフォレスト大学のサラ・R・ジョーンズ博士の研究によれば、アルコールはドーパミン濃度を上昇させ、重度の飲酒者ではドーパミン輸送体も増加します。ドーパミンは快感をもたらす神経伝達物質ですが、依存者は過剰な輸送体によりドーパミンが過剰に除去され、離脱時に深刻な抑うつ状態に陥ります。そのため、アルコールを再び摂取しなければ快感が得られません。
さらに、アルコールは脳の酸素供給を阻害し、ブラックアウトや脳障害を引き起こすことがあります。喉や口腔のがん、心臓病、肝硬変などの重篤な疾患リスクも増大し、寿命は平均で10〜15年短くなります。
アルコール依存症への支援
依存症からの回復には、まず飲酒をやめたいという意思が必要です。アルコホー(Alcoholics Anonymous)やリハビリテーション施設、地域の支援団体など、多くのプログラムが利用できます。根本原因を見極め、家族や友人のサポートを受けることが回復への鍵です。
