胆嚢腫のリスクと治療法

胆嚢腫の形成過程

外耳道や鼓膜の表面は皮膚で覆われており、死んだ皮膚細胞は耳垢と共に自然に排出されます。これらの細胞が中耳に溜まり排出できなくなると、感染が起こりやすくなります。さらに、蓄積した死細胞から産生される酵素が骨を溶かし、胆嚢腫が拡大します。

未治療の胆嚢腫がもたらす合併症

鼓膜の裏側にある耳小骨が侵食されると、伝音性難聴が生じます。また、顔面神経が走る骨が破壊されると顔面麻痺が起こります。内耳が一部損傷するとめまいや感音性難聴が現れます。

胆嚢腫に伴う中耳炎は悪臭のある分泌物や血液を伴うことがあります。経口または点耳薬の抗生物質で感染は抑えられますが、胆嚢腫自体は除去できません。感染が放置されると、脳へ血液を運ぶ側頭静脈洞へ広がり、静脈洞閉塞や脳室内水腫(水頭症)を引き起こすことがあります。さらに髄膜炎やまれに脳膿瘍を合併する危険性もあります。

胆嚢腫の手術治療

胆嚢腫の位置や範囲に応じて手術法が選択されます。鼓膜の裏側で耳小骨を再建する「鼓膜形成術(ティンパノプラスティ)」、乳様骨を除去する「乳様骨切除術(マストイド切除)」、両方を行う「鼓膜乳様骨切除術(ティンパノマストイド切除)」、耳小骨の修復・再建を行う「耳小骨形成術(オッシキュロプラスティ)」などがあります。

手術のアプローチは主に二つです。外耳道から行う「経管手術」と、耳の後ろに切開を入れ乳様骨と中耳を露出させる「後頭部切開手術」です。胆嚢腫の大きさや位置、外科医の経験に応じて、両方を組み合わせることもあります。

外科医は胆嚢腫の範囲、乳様骨の大きさ、聴力保存の可能性などを総合的に判断し、病変除去と聴力の維持・回復を目指します。

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