聴覚神経障害スペクトラム(ANSD)
概要
聴覚神経障害スペクトラム障害(Auditory Neuropathy Spectrum Disorder, ANSD)は、音が耳から脳へ正しく伝わらない状態です。音は聞こえても、その音が何であるかを識別できないことがあります。
リスク要因
ANSDの正確な原因は不明ですが、以下のようなリスク要因が症例の増加と関連しています。
- 早産や低出生体重
- 新生児期の感染症や疾患
- 頭部外傷
- 遺伝的素因
診断
米国では新生児の聴覚検査が標準で行われますが、ANSDはすべての検査で検出できるわけではありません。以下のような兆候が見られた場合、医師は追加検査を行いANSDの有無を確認します。
- 大きな音に驚かない
- 生後8か月までに鳴き声や笑いが見られない
- 生後12か月までに音や動作の模倣、簡単な指示への反応がない
予後
症状の重さは個人差があります。音は聞こえるが識別が困難なケースや、すべての音がテレビのノイズのように聞こえる重症例があります。時間とともに改善することもあれば、補聴器や人工内耳による介入が必要になることもあります。
治療・支援
根本的な治療法はありませんが、以下の支援が症状の軽減に役立ちます。
- 言語聴覚士によるコミュニケーション訓練
- 補聴器や周波数変調(FM)システムの併用
- 人工内耳(コクレアインプラント)
