なぜ耳垢があるのか?

耳垢(セレウム)は、耳の腺から分泌される粘性の黄色い物質で、ヒトをはじめクジラなどの哺乳類に見られます。主な役割は、病原体から耳道を守り、耳道の内壁を潤いと清浄に保つことです。

保護機能

  • 耳垢はやや酸性で抗菌・抗真菌作用があります。また、粘度が高いため、汚れや細菌を固定し、内耳へ侵入するのを防ぎます。

潤滑作用

  • 耳垢は脂質が豊富で、耳道が乾燥するのを防ぎます。乾燥はかゆみや灼熱感を引き起こし、耳道の組織を損傷する恐れがあります。

清掃機能

  • 汚れや皮膚の古い細胞は耳垢に捕らえられます。顎の動き(咀嚼や会話)により耳垢は鼓膜から遠ざかり、自然に外へ排出されます。

過剰な耳垢

  • 耳垢が過剰になると伝音性難聴を引き起こしたり、補聴器の機能を妨げたりします。顎の動きで耳垢が除去されるため、ガムを噛むと効果的です。また、オリーブオイル・ベビーオイル・ミネラルオイルで柔らかくすると取り除きやすくなります。綿棒や綿球の使用は耳道を傷つける恐れがあるため、絶対に避けてください。

豆知識

  • 中世ヨーロッパでは、耳垢を顔料の原料として写本の装飾に利用していました。
    クジラは一年ごとに耳垢が層を成して蓄積され、死後にその層数から年齢を推定することができます。

耳と聴覚 - 関連記事