耳のトラブルとその治療法
耳は非常にデリケートな部位で、感染や圧力異常、鼓膜の破裂、耳管の閉塞など様々な問題が起こります。痛みや急な聴力低下を感じたら、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。軽度の症状は薬で対処できることが多いですが、場合によっては手術が必要になることもあります。
中耳炎(中耳感染症)
中耳炎は子どもに多く見られますが、成人でも起こります。軽度の場合は数日で自然に改善することが多く、医師はまず経過観察を行います。痛みが強いときは市販の鎮痛剤を使用し、耳の排液が不十分な場合は麻酔成分を含む点耳薬が処方されます。
再発性中耳炎
感染が自然に治らず、聴力低下や再発を繰り返す場合は外科的処置が検討されます。代表的なのは鼓膜切開術(ミリンゴトミー)で、全身麻酔下で鼓膜に排液チューブを挿入し、圧力を均等化しながら液体を排出します。チューブは約1年で自然に抜け落ちます。
耳管(ユースタキオ管)閉塞
ユースタキオ管は中耳の圧力調整を担う管で、鼻と中耳をつなげています。過度な鼻吹きや風邪などで閉塞すると聴力が低下します。鼻用の去痰薬や温かいお茶を飲むことで改善することがあります。鼻を優しくかむ、舌先を上顎につけて飲み込むなどの方法でも圧力を調整できます。
耳鳴り(ティンナイタス)
耳鳴りは様々な原因で起こります。高血圧が原因なら血圧管理、メニエール病なら内耳の余分な液体を排出して圧力を下げます。アスピリンの過剰摂取が原因の場合は服用中止が効果的です。効果が見られないときはビタミンB6を1日2回、100 mgずつ摂取すると改善することがあります。
鼓膜穿孔(鼓膜破裂)
鼓膜は中耳と外耳道を隔てる薄い膜です。破裂すると穴や裂け目ができます。早期に医師の診察が必要ですが、多くは数週間で自然に治ります。治癒しない場合は鼓膜パッチ術や鼓膜再建手術(ティンパノプラスティ)で皮膚移植を行います。治癒中は鼻を強く吹かない、耳掃除をしない、シャワー時は石油系軟膏を綿球に付けて耳を乾燥させるなどの注意が必要です。
