ボンネット症候群(CBS)とは
ボンネット症候群(Charles Bonnet Syndrome、以下CBS)は、主に高齢者に見られる視覚幻覚を伴う疾患です。視力低下とともに幻覚が現れ、せん妄や認知症、薬剤副作用と誤診されやすい点が特徴です。適切に対処しないと、患者の不安が増大し、生活の質が著しく低下する恐れがあります。
歴史
スイスの哲学者チャールズ・ボンネットは、1760年に祖父が白内障で視力を失いかけた際、視覚的幻覚を経験したことがこの症候群の最初の報告とされています。
原因
研究によれば、刺激の少ない環境で目が何も捉えていないときに脳が自ら画像を生成すると考えられています。加齢に伴う視覚機能の低下が進むと、脳は実際には存在しない鳥や建物、模様などを見たと錯覚することがあります。
幻覚の特徴
CBS患者がよく体験する幻覚には、風景、顔、群衆などがあります。幻覚自体は恐怖を伴うことは少ないものの、突然の視覚体験は強い不安やストレスを引き起こすことがあります。
治療・対処法
CBSを根本的に治す薬は現在ありませんが、幻覚が幻覚であることを理解するだけで不安が軽減されるケースがあります。明かりを点ける、目の焦点を変える、視線を左右に動かすといった簡単な行動で幻覚が消えることもあります。
罹患しやすい人
主に高齢者で、視力が低下している人に多く見られます。幻覚は通常、発症から1年から18か月程度で自然に消失します。
