トラコーマの治療と予防ガイド

概要

トラコーマ(顆粒結膜炎)は、クラミジア・トラコマティスという細菌が原因で起こる目の感染症です。主に貧困地域や過密な生活環境、衛生状態が不十分な場所で流行し、特に発展途上国の子どもに多く見られます。感染は、感染者の目・鼻・喉からの直接接触や汚染された器具を介して広がります。主な症状は、目やに、耳前のリンパ節腫脹、眼瞼の腫れ、内向きまつげ、角膜の濁りなどです。

早期発見の重要性

早期にトラコーマを発見すれば、重症化や失明を防ぐことができます。目のかゆみや目やに、上記のような症状がある場合は速やかに医師の診察を受けましょう。診断は、拡大鏡で眼瞼の濾胞に白血球が集まっているか確認したり、眼から採取したサンプルを培養・PCR検査することで行われます。早期に治療しないと、眼瞼瘢痕や角膜潰瘍が進行し、部分的または完全な失明につながります。

薬物療法

トラコーマは早期に抗生物質で治療可能です。ワクチンは現在ありませんが、エリスロマイシンやドキシサイクリンといった抗生物質が有効です。目薬としてはテトラサイクリン軟膏、経口薬としてはアジスロマイシン(商品名Zithromax)が使用されます。経口アジスロマイシンは効果が高いものの、費用が高く、貧困地域では入手が難しいという課題があります。

眼瞼手術

重度の症例では眼瞼回転手術が行われます。これは眼瞼を外側に回転させ、角膜への接触を防ぎ、瘢痕形成を抑える目的の外来手術です。

角膜移植

角膜が深刻に損傷した場合、角膜移植が検討されます。角膜は眼の最前面にある透明な組織で、光の屈折と外部からの保護を担います。移植は高額で、ドナー角膜の確保や拒絶反応のリスクが伴うため、実施できる環境は限られています。

衛生管理と予防

トラコーマの再感染を防ぐためには、以下の衛生対策が重要です。

  • 顔を定期的に洗う(特に子どもは朝夕に洗顔)
  • ハエの繁殖を抑える
  • 人畜の糞尿を適切に処理し、清潔な水源を確保する

これらの環境改善により、米国やモロッコなどでトラコーマはほぼ根絶されています。

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