ドライアイ症候群の概要

ドライアイ症候群は、涙液が十分に分泌されない、あるいは涙の成分が異常で蒸発しやすくなることで、眼表面が乾燥する疾患です。成人でよく見られますが、子どもでも稀に発症し、痛みや不快感は成人と同程度になることがあります。小児は診断が難しいため、保護者が症状をしっかり伝えることが重要です。

子どもの症状の見分け方

  • 目の乾燥感、焼けるような痛み、ざらつきや砂粒が入った感覚、かすみ目、光への過敏感、充血や異物感などが典型的です。子どもは「乾いている」とは言わず、むしろ「目がかゆい」「チクチクする」などと訴えることが多いです。

    また、飛行機の機内や乾燥した風の強い場所で症状が悪化するといった環境要因にも注意しましょう。

誤診を防ぐポイント

  • 普段の目の様子(例:寝ているときに目を開いたままになるか)や、皮膚・関節・消化器・呼吸器の既往症、服用中の薬剤、放射線療法や化学療法の有無を医師に詳しく伝えてください。

    診断の一環として、眼の角にフィルム状の紙を当てて涙量を測定するシーマー検査が行われることがあります。

小児ドライアイの主な原因

  • ムチン不足:涙液の粘性層を構成するムチンが不足すると、涙膜が不安定になり乾燥しやすくなります。ビタミンAが不足するとムチン産生が低下するため、適切な栄養摂取が重要です。

    脂質不足:マイボーム腺が分泌する油層が減少すると、涙が蒸発しやすくなります。放射線治療や化学療法でマイボーム腺が減少するケースもあります。

    その他、長時間のテレビ視聴・読書・パソコン作業、乾燥・埃の多い環境、特定の薬剤、コンタクトレンズの長時間装着などもリスク要因です。

治療法

  • まぶたマッサージでマイボーム腺の分泌を促し、ぬるま湯にベビーベビーシャンプーを1杯(約240ml)に対し小さじ1程度の割合で希釈したものでまぶたの縁を1日2回洗浄します。

    乾燥を助長する薬剤は中止し、ビタミンAや必須脂肪酸を十分に摂取させましょう。必要に応じて、まぶた縁に抗菌薬とステロイドの併用点眼を少量使用することもあります。