網膜芽細胞腫(レチノブラストーマ)についての基本情報

網膜芽細胞腫は、眼の網膜に悪性腫瘍ができる疾患です。遺伝的要因や突発的変異により発症し、放置すると失明や生命に関わりますが、子どもに多く見られるがんで、治療成績は非常に良好です。

歴史

  • 最初に網膜芽細胞腫に似た腫瘍が記録されたのは、17世紀半ばのオランダ人医師ピーター・パウィウスです。その後も症例報告が続き、1926年に米国眼科学会が「retinoblastoma(網膜芽細胞腫)」という名称を正式に定めました。

原因

  • 1970年代に、網膜芽細胞腫が遺伝性疾患であることが判明しました。13番染色体にあるRB1遺伝子の機能不全が原因で、細胞増殖が制御できず腫瘍化します。

症状

  • 親が早期に気づくべきサインとして、光に当てたときに瞳孔が白や黄色に光る「白色瞳孔」や、視力低下、片眼の虹彩色素沈着の違い、斜視・弱視、赤く刺激された眼などがあります。これらの症状が見られたら速やかに眼科を受診してください。

治療

  • 治療の第一目的は子どもの生命を守ること、第二は視力の保持、第三は副作用の最小化です。腫瘍が小さい場合はレーザー光凝固や局所切除が行われ、進行例では化学療法・放射線療法が組み合わされます。重症例や眼球内に留まらない場合は眼球摘出と人工眼の装着が選択されることもあります。

注意点・考慮事項

  • 世界で約2万人に1人、米国では1.2万人に1人が罹患し、年間約7,000人が診断遅れにより死亡しています。主に0〜5歳の子どもに発症しますが、稀に10代以降でも報告されています。早期発見が予後改善の鍵となるため、定期的な眼科検診が重要です。

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