嚢胞性線維症はどのように遺伝するのか?
嚢胞性線維症とは
嚢胞性線維症(Cystic Fibrosis, CF)は、常染色体劣性遺伝の遺伝子疾患です。症状は肺や膵臓などの臓器に影響を及ぼし、塩化物イオンとナトリウムイオンの輸送異常が主な原因となります。
CFTR遺伝子とその機能
CFTR(Cystic Fibrosis Transmembrane Conductance Regulator)遺伝子は、細胞膜上で塩化物イオンの流れを調節するタンパク質をコードしています。このタンパク質が正常に機能することで、呼吸器や消化器系の粘液の粘度が保たれます。
遺伝子の種類
正常アレル(CFTR)
機能的なCFTRタンパク質を産生する正常な遺伝子です。
変異アレル(CF)
CFTR遺伝子に変異があり、タンパク質の機能が低下または欠損します。
遺伝パターン
以下の3つの遺伝子構成が考えられます。
- 保因者(CF/CFTR):正常アレルと変異アレルをそれぞれ1本ずつ持ち、症状は出ませんが子どもに変異アレルを伝える可能性があります。
- 患者(CF/CF):変異アレルを2本持ち、CFTRタンパク質が機能しないため症状が現れます。
- 非保因者(CFTR/CFTR):正常アレルを2本持ち、疾患も保因者もありません。
CFの遺伝リスク
親の遺伝子構成に応じたリスクは次の通りです。
- 両親とも保因者(CF/CFTR):子どもがCFになる確率は25%、保因者になる確率は50%、非保因者になる確率は25%です。
- 一方が患者(CF/CF)で、もう一方が保因者(CF/CFTR):子どもが患者になる確率は50%、保因者になる確率は50%です。
- 両親とも患者(CF/CF):全ての子どもが患者(CF)となります。
CFの遺伝子変異は多数存在し、症状の重症度も個人差があります。家系にCFの既往がある場合や、妊娠を検討しているカップルは、遺伝カウンセリングを受けてリスク評価と適切な生殖計画を立てることが推奨されます。
