小児の急速老化症候群(プロジェリア)

プロジェリア症候群(Hutchinson‑Gilford プロジェリア症候群、略称 HGPS)は、子どもに発症する極めて稀で致死的な遺伝性疾患です。幼少期から急速な老化様症状が現れますが、現在有効な治療法は確立されていません。

原因

原因は LMNA 遺伝子(ラミン‑A)に起こる変異です。LMNA 遺伝子は細胞核を支えるラミン A 蛋白をコードしますが、変異により異常なラミン A が産生され、核の構造が不安定になり、早期老化が引き起こされます。

罹患率

プロジェリアは出生児約 400 万〜800 万人に 1 人という非常に稀な疾患で、性別や人種による差はありません。世界中で報告されています。

主な症状

出生時は外見上健康に見えますが、1歳半から2歳頃に以下のような急速老化様症状が現れます。

  • 体毛・皮下脂肪の減少
  • 関節の硬直
  • 成長不全、身長の伸びが止まる
  • 股関節脱臼
  • 頭蓋の拡大、顎の小ささ
  • 心血管疾患
  • 歯の発育遅延または欠損

診断

診断は外見と病歴の評価から始まり、心臓のストレステストや血管の動脈硬化評価が行われます。その後、血液検査で LMNA 遺伝子変異の有無を確認します。

経過と予後

患者は心血管系の早期・進行性の障害を起こしやすく、思春期に入ると高血圧や心肥大、胸痛、脳卒中、心不全のリスクが高まります。多くは 8 歳から 21 歳の間に心疾患で死亡します。

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