プロゲステロンIUDによる子宮筋腫治療
子宮筋腫とは
子宮筋腫は、子宮の筋層にできる良性腫瘍です。大きさは数ミリから約15センチまでさまざまで、子宮内部(筋層内)や外側(漿膜下)に発生します。原因は不明ですが、米国保健福祉省の推計では、50歳までに女性の約80%が筋腫を持つとされています。
IUD(子宮内避妊器具)とは
IUDは、医師が子宮内に挿入する小さなT字形のプラスチック製デバイスです。米国ではホルモン式と銅式の2種類があり、ホルモン式は最長5年、銅式は最長10年使用できます。ホルモン式IUDは、プロゲステロンの合成形であるプロゲスチンを少量放出し、子宮頸部の粘液を厚くして精子の上行を妨げ、子宮内膜を薄くすることで受精卵の着床を防ぎ、月経出血を軽くします。
効果
子宮内膜が薄くなる作用により、ホルモン式IUDは筋腫に伴う過多月経を軽減する手段として有効です。UCLA医学部産婦人科のウィリアム・H・パーカー医師によると、ある研究ではIUD装着3か月で85%の女性が出血が正常に戻り、1年後にはほぼ全員が過多出血と貧血が改善されたと報告されています。
留意点
筋腫が非常に大きい場合、子宮腔が狭くなりIUDの挿入が困難になることがあります。また、IUDは医師による装着・除去が必要で、妊娠を希望する女性は、筋腫の外科的除去や、より取り外しが容易な避妊法(例:ダイアフラムやコンドーム)を選択した方が適しています。
パラドックス
プロゲステロンは過多出血の抑制に有効ですが、同時に筋腫の増大を促す可能性も指摘されています。米国子宮筋腫センターの報告では、合成プロゲステロン(IUDに含まれるプロゲスチンなど)が筋腫サイズを拡大させるとされています。一方、プロゲステロン受容体拮抗薬を使用すると筋腫が縮小し、出血が止まるケースが多いとパーカー医師は述べています。
