子どもの脱毛症について
子どもの脱毛は、身体的な状態から心理的な問題までさまざまな原因があります。米国脱毛協会(AHLA)によると、子どもの脱毛は国内の小児診療の約3%を占めています。脱毛は子ども本人はもちろん、家族にとっても大きなストレスとなりますが、適切な治療により髪の再生が期待できます。
頭部白癬(リングワーム)
頭部白癬は、頭皮に起こる表在性真菌感染で、子どもの脱毛の最も一般的な原因です。円形や不規則な形で抜け毛が見られ、毛根が表面で折れたように見えることがあります。治療はグリセオフルビンなどの経口抗真菌薬と、8週間のニゾラールシャンプーが推奨されます。
斑状脱毛症(アロペシア・アレアータ)
自己免疫が毛包を攻撃することで起こると考えられ、丸や楕円形のはっきりしたはげ斑が急に現れます。発症率は千人に1人程度です。現在、根治薬やFDA承認の治療はありませんが、当初は別の疾患用に開発された薬が一部の患者で効果を示しています。
抜毛癖(トリチロミノマニア)
平均発症年齢は11歳で、頭皮だけでなく眉毛や脚の毛も引き抜く衝動に駆られます。原因は不明ですが、強迫性障害や不安・うつと関連があると考えられています。行動療法や特定の薬物療法が有効とされています。
休止期脱毛(テロゲン・エフルビウム)
毛周期の休止期が長く続くことで、多くの毛包が同時に脱毛し、数週間後に薄毛が目立ちます。高熱、全身麻酔手術、強い精神的ストレス、外傷などが引き金となります。原因が除去されれば、6か月から1年で自然に毛が再生します。
がん治療による脱毛
化学療法や放射線療法は毛包の細胞を攻撃し、脱毛を引き起こします。放射線は照射部位に限定され、化学療法は全身的に脱毛します。多くの場合、治療終了後数か月で髪は再び生えてきますが、色や質感が変わることがあります。ウィッグや帽子、スカーフの準備や学校への連絡など、事前の対策が重要です。
