虚血性心疾患の診断と治療法

虚血性心疾患(虚血性心筋症、冠動脈疾患とも呼ばれる)は、心臓への血流が減少することで起こります。主な原因は冠動脈の内壁にプラークが蓄積し、血管が狭くなることです。これにより心筋への酸素供給が不足し、心機能が低下します。

症状とサイン

初期段階では無症状のことが多く、症状が出るまで進行が見逃されがちです。症状が現れると、狭心症やうっ血性心不全(CHF)の形で現れます。狭心症の代表的な症状は、胸骨の裏側や左側に感じる圧迫感や痛みです。その他、息切れ、めまい、倦怠感が見られます。CHF の場合は、息切れに加えて足首や足のむくみ、食欲不振、持続性の咳、動悸、不整脈などがみられます。

診断の流れ

胸痛や息切れなどの症状がある、または家族に心疾患歴がある場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。診察ではまず身体検査を行い、必要に応じて以下のような検査が実施されます。

駆出率(EF)

CHF の評価に重要な指標の一つが駆出率です。駆出率は、心室が収縮したときに拍出される血液の割合を示し、通常は55〜65%が正常とされます。駆出率は心エコー(超音波検査)、心電図、胸部MRI、心臓カテーテル検査時の血流造影(心室造影)などで測定されます。

その他の診断検査

駆出率測定に加えて、心筋生検(カテーテル検査中に心筋組織を採取)や血液検査が行われます。血液検査ではトロポニンやクレアチンキナーゼといった酵素、コレステロールやトリグリセリドなどの脂質、C反応性タンパク(CRP)やホモシステインなどが測定され、心筋障害や動脈硬化の程度を評価します。

治療オプション

治療は心筋の損傷程度や症状に応じて選択されます。主な治療法は以下の通りです。

  • 薬物療法:抗血小板薬、スタチン、β遮断薬、ACE阻害薬などで血流改善や心機能の保護を図ります。
  • 生活習慣の改善:禁煙、適度な運動、バランスの取れた食事、体重管理、ストレス軽減が重要です。
  • 外科的・カテーテル治療:冠動脈バイパス手術(CABG)や経皮的冠動脈形成術(PCI)で血流を回復させます。
  • 重症例の補助装置:心不全が進行した場合、ペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)、左室補助装置(LVAD)などが使用されます。

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