先天性心疾患とは

先天性心疾患は出生時に存在する心臓の構造異常です。胎児の心臓は妊娠2か月目に形成が始まり、約120人に1人の割合で何らかの心疾患を持って生まれます。先天性心疾患は最も頻度の高い主要な先天性欠損症です。

原因

  • 多くの先天性心疾患の原因は不明です。遺伝的要因や家族歴が関与していると考えられています。ダウン症など他の先天性異常を伴う場合、心疾患のリスクは高まります。
  • 妊娠中のウイルス感染(例:風疹)や、アキュテインやリチウムといった一部の市販薬・処方薬も心臓の正常な発育を妨げることがあります。

心臓の発育異常

  • 左心低形成症候群は、左心室・大動脈・大動脈弁・僧帽弁が十分に発達しない状態です。
  • 単心室症は、心臓が左右どちらか一方の側しか持たない先天性異常です。

血管の異常

  • 大血管転位は、酸素濃度の低い血液が全身に送られる状態です。
  • ファロー四徴症は、心臓を通る血管に4つの欠損が同時に存在します。
  • 大動脈幹は、別々の血管が形成されずに一本の大動脈が残ります。
  • 大動脈狭窄は、大動脈が狭くなり血流が遅くなる状態です。
  • 全肺静脈異常接続は、酸素豊富な血液が左心へではなく右心へ流れ込む異常です。

心臓弁の異常

  • 大動脈弁狭窄は、弁口が狭く血液が十分に流れにくくなる状態です。
  • 肺動脈弁閉鎖は、血液が肺へ送られず酸素化が妨げられます。
  • 肺動脈弁狭窄は、心臓が血液を送り出すために余分な負荷がかかります。
  • 三尖弁閉鎖は、組織が血流を遮断します。
  • エプスタイン奇形は、血液が肺へ送られるべきところで心臓に逆流します。
  • 僧帽弁下狭窄は、血液の駆出を遅くします。

血液通路の異常

  • 心房中隔欠損は、心臓の上部(心房)に穴がある状態です。
  • 心室中隔欠損は、下部(心室)に穴がある状態です。
  • 房室管欠損は、心臓中央に大きな穴があり、異常な血流が生じます。
  • 動脈管開存は、出生後に本来閉じるべき血管と大動脈の通路が閉じない状態です。
  • エイゼンメンガー症候群は、複数の欠損が組み合わさった複雑な状態です。

予防法

  • 先天性心疾患は完全に予防できませんが、妊娠中の飲酒・喫煙・違法薬物の使用を控えることでリスクを低減できます。
  • 妊娠中はX線検査を避け、薬を使用する際は必ず医師に相談しましょう。
  • 糖尿病の血糖コントロールが不十分だと胎児の心臓異常リスクが高まります。

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