心臓の異常が引き起こす失神(発作)の原因は?
てんかんと診断される人の多くは、実は心血管性の失神(心臓のリズムや血流の異常)が原因であることがあります。心臓性失神は意識喪失を伴う「失神発作」として現れます。
不整脈(心拍リズムの乱れ)
心臓のリズムが乱れることを不整脈と言います。米国心臓学会によれば、不整脈は以下の5つの形態に分類されます。
- 早期拍動(早期収縮):ストレスやカフェインなどで起こり、通常は危険ではありません。
- 心房細動:心房が不規則に収縮し、血液が滞留して血栓ができやすくなります。
- 徐脈(ブレディカードリア):心拍数が低下し、めまい・失神・倦怠感を引き起こすことがあります。
- 頻脈(タキカードリア):心拍数が過度に速くなり、血流が乱れます。
- 心室性不整脈:心室が正常に血液を送り出せず、最も致死的です。
特に心房細動、徐脈、心室性不整脈は「失神(シンコープ)」を引き起こすことがあります。
失神と発作の違い
失神とてんかん発作はどちらも意識喪失を伴いますが、いくつかの特徴で区別できます。
- 失神は意識が回復するまでが比較的短く、数秒から数十秒で戻ります。
- 発作後は排尿や頭痛、眠気、方向感覚の混乱が残ることが多いです。
- 失神は保護反射が保たれるため転倒や外傷のリスクは低めですが、発作は一時的に反射が抑制され転倒しやすくなります。
- どちらも体が痙攣することがありますが、確実な鑑別は医療機関での検査が必要です。
診断方法
心臓性失神が疑われる場合、医師は以下の手順で診断を進めます。
- 本人および家族の病歴聴取
- 心電図(ECG)検査
- 立位試験(ティルトテーブルテスト)
- ホルター・モニターやイベントレコーダーなどの長時間心拍モニタリング
- 頸動脈洞刺激(頸動脈洞マッサージ)
- 電気生理学的検査(EPS)
これらの検査で心臓の構造的・電気的異常や血圧変動に対する反応を評価します。
治療法
診断結果に基づき、原因に応じた治療が選択されます。
- 不整脈が原因の場合、ペースメーカーや除細動器(ICD)の植込みが行われます。
- 電気的問題には心臓アブレーションが有効です。
- 薬物療法で症状がコントロールできることもあります。
失神または発作が起きたときの対処法
周囲の人が意識喪失を目撃した場合は、以下の手順で対応してください。
- 患者を側臥位(横向き)にし、気道を確保します。
- 手足を無理に固定したり、口に手を入れたりしないでください。
- 周囲に危険な物がある場合は取り除きます。
- 意識が回復しない、または5分以上続く場合は速やかに救急車を呼びましょう。
