鶏肉と牛肉がコレステロールに与える影響 – エビデンスに基づく実践的ガイド

はじめに

鶏肉と牛肉は代表的なたんぱく源ですが、血中コレステロールへの影響は、含有するコレステロールよりも飽和脂肪酸の量に左右されます。

調理法や味付け次第で、心血管リスクを低減できるか、逆にLDLコレステロールを上昇させてしまうかが決まります。

飽和脂肪とコレステロールの関係

最新の栄養学では、LDLコレステロールの主要因子は飽和脂肪と位置付けられています。2015年版『米国食事指針』は、食事性コレステロールの上限を撤廃しましたが、飽和脂肪が多い食品は依然として制限すべきとされています。

鶏肉と牛肉の脂肪分布の違い

  • 鶏肉は皮下に脂肪が蓄積しやすく、皮なしの胸肉が最も脂肪が少ない部位です。
  • 鶏もも肉は胸肉に比べて脂肪とコレステロールが多めです。

最新研究の概要

2019年の研究(113名参加)では、飽和脂肪の摂取量が高いほど、赤肉・白肉の区別なく血中コレステロールが上昇することが示されました。ただし、草飼い牛肉や加工肉(ベーコン・ソーセージ)は対象外でした。

2023年の系統的レビューでは、脂肪の少ない未加工の鶏肉は、心血管リスク、2型糖尿病、体重管理に対し中立的または有益な効果があると報告されています。しかし、エビデンスはまだ限られており、結果が矛盾することも指摘されています。

米国心臓協会が推奨する食事戦略

  • 主たんぱく源は、脂肪の少ない皮なし鶏肉、魚、豆腐、豆類を選ぶ。
  • オメガ‑3 が豊富な脂肪魚(サーモン、マス、ニシン)を積極的に摂取。
  • 草飼い牛肉は穀飼い牛肉に比べてオメガ‑3 が多く、優先的に選択。
  • 牛肉や皮なし鶏肉は、1日あたり 6 oz(約2枚のトランプカードサイズ)までに抑える。

コレステロールと飽和脂肪を抑える調理のコツ

  • 赤身の牛肉部位(ラウンド、チャック、サーロイン、ロイン)を選ぶ。
  • 鶏肉は白身部位を中心にし、必ず皮を取り除く。
  • 加工肉(サラミ、ホットドッグ、ソーセージ)は避け、どうしても必要な場合は “choice” や “select” 表記のものを選び、 “prime” は避ける。
  • 調理前に目に見える脂肪をトリミングし、シチューやスープの余分な脂はすくい取る。
  • 揚げるよりもグリル、ブロイル、オーブンでの調理を推奨。ワイン、フルーツジュース、低カロリーマリネでジューシーさを保つ。
  • ヘルシーオイル(カノラ、サフラワー、ひまわり、大豆、オリーブ)を使用し、バター、ラード、ショートニングは控える。
  • 食物繊維が豊富な野菜をたっぷり添えると、コレステロールの吸収を抑制できる。
  • 脂肪を減らす代わりに精製炭水化物を多く摂っても、冠動脈疾患リスクは低減しないことに注意。

まとめ

脂肪が少なく加工度の低い鶏肉・牛肉を選び、低脂肪の調理法で調理し、野菜や健康的な脂質とバランスを取ることで、血中コレステロールを適正に保つことが可能です。

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