ヘパリン誘発性血小板減少症(HIT)についての解説
ヘパリン誘発性血小板減少症(HIT)とは
ヘパリンは血液を薄める薬ですが、使用中に免疫反応が起こり、血小板が急激に減少する「ヘパリン誘発性血小板減少症(HIT)」という重篤な状態になることがあります。血小板が減少すると、血栓ができやすくなります。
HITの原因
ヘパリンが血中のタンパク質「血小板因子4(PF4)」に結合すると、体の免疫系がPF4に対する抗体を産生します。この抗体が血小板を活性化し、血栓形成を促進します。
リスクが高い人
ヘパリン投与は誰にでもリスクがありますが、以下のような方は特に注意が必要です。
- 過去にヘパリンを使用したことがある人
- 心臓手術など大手術を受けた人
- 妊娠中の女性
- がん患者
主な症状
症状は個人差がありますが、次のような兆候が見られることがあります。
- 血小板数の著しい低下
- 出血傾向
- 血栓(深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症など)
- 胸痛、息切れ
- 頭痛、意識混濁
診断方法
血液検査でPF4に対する抗体の有無を測定し、臨床症状と合わせて診断します。
治療法
まずヘパリンの投与を中止し、代替の抗凝固薬(例:ダルトパリン、直接トロンビン阻害薬)に切り替えます。必要に応じて以下の治療が行われることがあります。
- 血小板輸血(重度出血時)
- ステロイド薬
- 免疫グロブリン製剤
予後
早期に診断・治療すれば予後は比較的良好です。ただし、適切に対処しない場合は致命的になるリスクがあります。
