ヒトパピローマウイルスはどこから来たのか?

歴史

古代ギリシャ・ローマの医療記録には、HPV感染によると考えられる性器の病変が記載されています。当時はウイルスとの因果関係は分かっていませんでしたが、性行為と病変の関連は認識されていました。1970年代に入って初めて、研究者はヒトパピローマウイルス(HPV)を同定し、性器イボやがんとの関係を明らかにしました。

事実

米国疾病予防管理センター(CDC)は、毎年約550万人が性器HPVに感染すると推計しています。HPVは子宮頸がんや肛門がんの主要な危険因子ですが、実際に子宮頸がんと診断される女性は全体の1%未満です。ウイルスに感染した細胞ががん化するまでには数年から数十年かかります。50歳までに、女性の約75%が何らかの性器HPVに罹患しています。

地域差

米国では子宮頸がんの発生率は10万人あたり10件未満ですが、同時にHPVによる病変は約50件存在します。一方、アフリカやラテンアメリカなどの開発途上国では、子宮頸がんのリスクがはるかに高く、10万人あたり最大1万件に達することもあります。

特徴

HPVの代表的な症状は性器イボです。イボは目に見えるものから顕微鏡的にしか確認できないものまで様々で、膣内など見えにくい部位にも生じます。かゆみを伴うこともありますが、多くは無症状です。子宮頸がん検診(パップスメア)は、子宮頸部の細胞変化を検出し、HPV感染の有無を判断する重要な手段です。

予防・対策

HPV対策としては、定期的なパップスメア検診が最も基本です。コンドームはウイルスの一部の伝播を防げますが、正しく使用しないと感染リスクは残ります。米国食品医薬品局(FDA)承認のワクチン「ガーダシル」は、9歳から26歳までの若年女性(性行為未経験者が対象)に予防接種が推奨されており、複数の性パートナーを持つ女性にも有効です。

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