概要
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、最も一般的な性感染症のひとつで、女性の子宮頸がんのほぼ全例の原因となります。130種類以上の型が存在しますが、特に頻繁に見られるのは6、11、16、18型です。皮膚や粘膜への直接接触で感染し、30以上の型は性交渉を通じて広がります。年齢・性別・人種・性的指向に関係なく感染可能で、まれに母子感染(経産道分娩)も報告されています。副作用は感染した型により異なります。
型別の特徴
6型・11型
主に性器にイボ(尖圭コンジローマ)や手のイボを引き起こしますが、子宮頸がんになるリスクは低いです。治療法としては外用薬やレーザー手術が用いられます。
16型・18型
前がん細胞を形成し、最終的に子宮頸がんや肛門がん、外陰・膣がん、男性の肛門がんや陰茎がんの原因となります。
感染の特徴
HPVは潜伏感染(無症状)になることがあり、症状がなくても他者へ感染させる可能性があります。免疫が正常な場合、性器イボは自然に消失することもありますが、ウイルスが再活性化して症状が遅れて現れることもあります。感染後に自然にクリアされても、別の感染者と性交渉をすれば再感染するリスクがあります。
症状と診断
性器イボは陰部、肛門、子宮頸部、陰茎、内ももなどに現れ、平坦または隆起し、サイズや色(肉色、ピンク、赤、茶色)も様々です。イボが集まるとカリフラワー状になることがあります。子宮頸がんは初期には痛みや出血といった明確な症状がなく、主に年1回のパップスメアで異常細胞を検出します。
予防と対策
最も効果的な予防はパートナーを一人に限定することです。コンドームの使用も感染リスクを低減しますが、全ての感染部位を覆うわけではないため完全な防御はできません。9歳から26歳までの女性を対象にしたワクチン(ガーダシル)は、6、11、16、18型に対する予防効果があります。特に性交渉開始年齢が低い若年層への接種が推奨され、11〜12歳での定期接種が一般的です。ワクチンは6か月間に3回接種します。
注意点・警告
感染が疑われる場合は速やかに医師の診察を受けましょう。性器イボや肛門・膣周辺のかゆみが現れたら、自己判断で市販のいぼ除去薬を使用しないでください。これらは敏感な粘膜に刺激が強すぎます。医療機関への受診が難しい場合は、低料金で診療を提供するプランド・ペアレントなどの支援を利用すると良いでしょう。
