重症患者のための栄養サポートの重要性と実践
重症患者は重篤な疾患や外傷により代謝が過剰に働き、筋肉や脂肪が急速に減少します。適切な栄養サポートは、薬剤や治療の効果を高め、回復力を補強する重要な役割を果たします。
重要性
外傷や急性疾患後、体はストレスホルモンを大量に分泌し、エネルギー消費が増大します。その結果、十分な食事を摂っていても筋肉量と脂肪が失われやすくなります。栄養サポートは糖質・タンパク質・脂質のバランスを最適化し、回復に必要なエネルギー供給と組織修復を支援します。
種類
患者が経口摂取できない場合、主に以下の2種類が用いられます。
- 経腸栄養(エンテアル):チューブを通じて消化管へ栄養を供給。コストが低く、低血糖のリスクも少ないため、可能な限り優先されます。
- 中心静脈栄養(パレンタル):血管内へ直接栄養液を投与。消化管に問題がある場合や、人工呼吸器使用中に誤嚥リスクが高いときに選択されます。
効果
臨床研究では、免疫機能を高める栄養剤(タンパク質、オメガ‑3脂肪酸など)を使用した患者で多臓器不全の発生率が低下したことが報告されています。また、呼吸器・肝臓・腎臓の機能を保護する配合もあり、感染症や敗血症の予防に寄与します。
留意点
人工呼吸器を使用している患者は、炭水化物比率が高いと二酸化炭素産生が増加し、呼吸負荷が大きくなります。そのため、脂質比率を高めた栄養プランが推奨されます。
注意事項
経腸栄養では下痢や便秘といった消化器症状が起こりやすく、栄養液の種類や投与速度、チューブの位置調整で改善します。パレンタル栄養は腸の萎縮を招く恐れがあるため、可能な限り経腸栄養へ切り替えることが望ましいです。腸機能を維持することで、IVやチューブ栄養から経口摂取への移行がスムーズになります。
