ノルエピネフリンの血管外漏れ(エクストラバスケーション)に対する治療
エクストラバスケーションとは、点滴や薬剤が本来の血管ではなく周囲の組織に漏れ出すことを指します。頻度は低いものの、起きた場合は急性の症状から長期的な合併症まで様々な問題を引き起こします。
ノルエピネフリンは血管収縮作用を持つ薬剤で、心拍出量を高めつつ冠動脈を拡張し、血流を改善します。心筋梗塞患者の生存率向上に寄与することが知られています。
ノルエピネフリンの使用目的
- ショックや外傷、手術、薬剤投与後の低血圧(低血圧症)に対して使用されます。救急時や心肺蘇生(CPR)中に投与されることが多いです。
- 授乳中の母親、妊婦、喘息や高度血圧のある患者には禁忌です。
ノルエピネフリン外漏れの危険性
- 外漏れは疼痛、皮膚炎、腫脹を引き起こし、場合によっては水疱や潰瘍、将来の静脈穿刺部位の利用不能につながります。重症例では壊死、神経・関節損傷が起こり、外科的切除や最悪の場合は切断が必要になることもあります。
- ノルエピネフリンは血管を収縮させるため、外漏れが起きると静脈壁が破れやすく、血管の一時的または永久的な機能喪失を招きます。さらに徐脈、心筋梗塞、血流不足、組織壊死、血管性脳卒中などの重篤な合併症が報告されています。
外漏れの兆候
- 点滴部位の灼熱感や腫脹は外漏れの典型的なサインです。重症例では毛細血管拡張、感染、蕁麻疹が見られます。
- ノルエピネフリン特有の症状として、失語、頻脈・不整脈、胸部・背部痛、意識混濁、痙攣、呼吸困難、めまい、頭痛、バランス感覚の低下、吐き気、しびれ、発汗、脱力感、嘔吐などが現れることがあります。
外漏れの対処法
- 外漏れが疑われたら直ちに点滴を中止し、部位の組織状態を評価し、医師に連絡して指示を仰ぎます。必要に応じて湿布を用いることがありますが、必ず医師の許可が必要です。また、可能であれば患部を高く保ちます。
- 治療はできるだけ早く、12時間以内に開始することが重要です。注射部位とその周囲に、5〜10 mgのフェントラミンを10〜15 mLの生理食塩水で希釈した溶液を注入します。フェントラミンはノルエピネフリンによる血管・組織障害を抑制します。
