豚インフルエンザ(H1N1)の起源は?
インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスはRNAウイルスで、上気道に感染します。感染は飛沫で広がり、ウイルスが宿主の呼吸器上皮細胞内で増殖する過程でRNAが変異します。この変異が毎年のインフルエンザ流行の原因となり、変異が大規模になるとパンデミック(世界的大流行)となります。
インフルエンザ監視
米国や各国の公衆衛生機関は、インフルエンザの流行を年間を通じて監視しています。医師からの診療報告や検査ラボからのウイルス株情報を集め、感染拡大の状況を把握します。
H1N1インフルエンザ(2009年)
2009年4月、カリフォルニア州で2人の子どもがインフルエンザ様症状で診察を受け、鼻腔スワブが採取されました。州の検査機関ではA型インフルエンザの既知の株が判別できず、米国疾病予防管理センター(CDC)へ送付されました。CDCは同年4月29日に、これが従来にない新しい株であることを発表しました。
メキシコでの流行
同時期、メキシコ保健省は季節性インフルエンザが異常に拡大していると警戒し、対策を開始していました。多数の患者が病院に押し寄せ、採取されたサンプルはカナダの専門検査所で解析されました。CDCの発表時点で、メキシコのインフルエンザ流行はすでに第4週目に突入していました。
起源に関する不確実性
CDCの解析結果は、2009年型H1N1ウイルスが豚インフルエンザ、鳥インフルエンザ、ヒトインフルエンザのRNAを組み合わせた遺伝子構造を持つことを示しました。また、欧州・アジアで流行していたウイルスに類似していました。当初は米国での豚への曝露が疑われましたが、メキシコのサンプル結果が出ると、メキシコへの渡航歴が注目されました。米国とメキシコの境界付近で最初の症例が確認されたことから、H1N1が米国発生後にメキシコへ拡大したのか、あるいはメキシコでの流行が先行し米国へ波及したのかは現在も議論されています。
