MRSA(耐性黄色ブドウ球菌)の兆候と症状

MRSAはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin‑Resistant Staphylococcus aureus)の略称です。黄色ブドウ球菌(通称スタフ)は通常、健康な人の鼻腔や皮膚に常在していますが、抗生物質に耐性を持つMRSAは治療が困難で、場合によっては致命的になることがあります。

原因

  • スタフ菌は約3人に1人の割合で鼻や皮膚に常在しています。通常は無害ですが、傷口や切り傷、呼吸チューブ、カテーテルなどから体内に侵入すると感染します。免疫力が低下している人では重篤な感染、健康な人でもにきびのような小さな膿疱ができることがあります。

症状

  • 初期は赤く小さな腫れ(にきびや蜘蛛の巣に似た)として現れ、急速に痛みを伴う膿瘍へと進行します。放置すると血流や骨、心臓、肺、関節へ広がり、生命を脅かすことがあります。まれに眼瞼腺の感染(ものもらい)を起こすこともあります。
  • 膿や異臭がある、傷が赤く腫れる、熱が出るなどの感染サインが見られたら医師の診察を受けてください。血圧低下、寒気、息切れ、激しい頭痛、全身に広がる発疹などの重篤な症状が現れた場合は緊急治療が必要です。

診断

  • 医師は鼻分泌物や患部の組織サンプルを採取し、培養検査でMRSAの有無を確認します。従来の培養は結果が出るまで48時間かかりますが、Xpert MRSAなどの分子診断は約2時間で結果が得られます。血液、喀痰、尿の検体でも診断が行われます。

治療

  • 入院患者や医療施設での感染には、バンコマイシンが第一選択薬として用いられます。地域での感染(CA‑MRSA)の場合もバンコマイシンや他の抗生物質が使用されます。膿瘍は抗生物質だけでなく、外科的に排膿することで治癒することがあります。重症例は点滴での抗生物質投与や、必要に応じて酸素吸入・透析が行われます。

予防

  • 手指を石鹸で20秒以上、温水で洗う習慣を徹底し、石鹸がないときはアルコール系ハンドサニタイザーを使用してください。衣類、タオル、カミソリなどは共有しないことが重要です。傷や擦り傷はすぐに覆って細菌の侵入を防ぎましょう。スポーツ選手は練習・試合後にすぐシャワーを浴び、感染の疑いがある傷がある場合は活動を控えることが推奨されます。

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