慢性肉芽腫症(CGD)の原因と治療法
慢性肉芽腫症(Chronic Granulomatous Disease、CGD)は、免疫系の食細胞(好中球・好酸球・好塩基球)が病原体を殺す機能を欠く遺伝性疾患です。この機能障害により、細菌や真菌の感染が繰り返し起こり、重篤な合併症を引き起こします。
原因
CGDは主に遺伝的変異によって引き起こされます。X染色体連鎖型が最も多く、患者の約86%が男性です。変異によりNADPHオキシダーゼ複合体の活性が低下し、食細胞が活性酸素種を産生できなくなるため、侵入した細菌や真菌を効果的に除去できません。
症状
- 皮膚膿瘍(ふんろうや膿がたまる)や直腸膿瘍、肺炎などの繰り返し感染
- 頸部リンパ節腫脹や首周りの膿瘍
- 伝染性皮膚炎(膿疱性皮膚炎)や膿疱性湿疹
- 骨髄炎、敗血症といった全身性の重篤感染
治療法
早期診断が可能な場合、感染予防のための抗菌・抗真菌予防投薬が有効です。また、造血幹細胞移植(HSCT)は根本的治療として期待されていますが、適合ドナーの確保や移植後の合併症リスクが課題です。
薬剤療法
- 細菌感染予防:Bactrim(TMP‑SMX)を経口投与。スルファ薬アレルギー時はテトラサイクリン系やセフェム系を代替。
- 真菌感染予防:ケトコナゾール、コリコナゾール、ポサコナゾールなどの抗真菌薬を使用。
- 感染エピソード時:高用量インターフェロンγ、IV抗菌薬、外科的膿瘍除去。
- 炎症抑制:低用量ステロイドが生検前などに使用されることがある。
副作用と管理
使用薬剤により頭痛、吐き気、視覚障害、めまいなどの副作用が報告されています。長期投与の場合、肝機能・腎機能の定期的なモニタリングが必要です。副作用は個人差が大きく、同一薬でも患者ごとに異なることがあります。
