ブドウ球菌感染症の予防と対策
概要
ブドウ球菌(Staphylococcus属)による感染症は、特に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が主な原因です。人口の約30%が鼻腔に常在し、ほとんどは軽症で自然に治りますが、治療せずに菌血症が進行すると死亡率は80%を超えます。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の感染は治療が難しくなります。
予防対策の手順
- 基本的な手指衛生の徹底
医療従事者は患者ごとに20秒間、抗菌石鹸で手を洗います。手袋を使用し、患者ごとに交換することが望ましいです。また、トイレ使用後は紙タオルで手を拭き、ドアを開ける際にも紙タオルを利用します。
- MRSA除菌のための抗菌薬併用療法
リファンピンとトリメトプリム・スルファメトキサゾール、またはリファンピンとミノシクリンの組み合わせが有効とされています。
- ミュピロシン軟膏の塗布
感染部位に1日2回、5日間塗布します。感染率を約50%低減でき、皮膚の変色は最大1週間続くことがありますが、ほとんど副作用はありません。
- 迅速診断テストの活用
2時間以内に黄色ブドウ球菌を検出できる新しい迅速検査を行い、手術前や感染リスクが高い患者に対してミュピロシンを適用します。
- DNAワクチンの接種
最近開発されたDNAワクチンは、MRSAに対する新たな有効手段として期待されています。
まとめ
上記の手順を組み合わせて実施することで、ブドウ球菌感染症、特にMRSAの発生を大幅に抑制できます。定期的な衛生管理と適切な薬剤選択が重要です。
