肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)とは – 特徴、症状、リスク、対策
Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)は、グラム陰性の桿菌で、主にヒトの呼吸器や腸内に常在します。腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に属し、E. coliやサルモネラと同じ仲間です。
主な特徴
1. 生息場所
主に呼吸器と腸内に存在しますが、皮膚や土壌・水中にも見られます。
2. 形態
棒状の細胞で、厚いカプセルに覆われています。このカプセルは宿主の免疫応答から細菌を守る重要な役割を果たします。
3. 運動性
鞭毛を持たず、自己移動はできません(非運動性)。
4. 代謝
通性嫌気性で、酸素があってもなくても増殖できます。炭水化物を発酵し、酸やガスを産生します。
5. 臨床的意義
免疫力が低下した人や基礎疾患を持つ人に感染しやすい、機会感染性病原菌です。肺炎、血流感染、尿路感染、軟部組織感染の原因となります。
6. 抗菌薬耐性
近年、カルバペネム系抗生物質に対する耐性株が増加し、治療が困難になるケースが報告されています。
7. 感染経路
密接な接触、飛沫、汚染された環境表面を介して人から人へ広がります。特に入院患者や免疫抑制状態の患者が集まる医療機関での院内感染が問題です。
8. 治療と対策
抗生物質による治療が基本ですが、耐性株の増加により、感受性試験を行い適切な薬剤を選択することが重要です。また、手指衛生や環境消毒などの感染予防策も欠かせません。
Klebsiella pneumoniaeは、適応力と薬剤耐性の獲得が公衆衛生上の大きな課題となっています。継続的な研究と感染予防対策が、拡散防止と効果的な治療に不可欠です。
