副甲状腺疾患と腎臓疾患
副甲状腺は血中カルシウム濃度を調整するホルモンを分泌します。カルシウムは筋肉や神経の働きに不可欠です。健康な腎臓は尿中に排泄されたカルシウムの大部分を再吸収しますが、腎機能が低下すると尿中へのカルシウム排泄が増え、血中カルシウムが低下します。副甲状腺はこれに応答してホルモンを過剰に分泌し、続発性副甲状腺機能亢進症となります。放置すると骨量減少や血中カルシウム過剰が起こります。
副甲状腺
副甲状腺は甲状腺の後ろ、喉頭付近に4つある小さな腺で、副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌します。PTHは血中カルシウム濃度を調整し、骨からカルシウムを放出させる働きがあります。PTHが過剰に分泌されると高カルシウム血症となり、倦怠感、イライラ、睡眠障害などの症状が現れます。
腎臓
腎臓は腹部後方にある2つの臓器で、血液中の水溶性物質をろ過し、尿として排泄します。不要な物質は除去されますが、生命に必要なカルシウムなどは再吸収され血液に戻ります。
腎疾患
糖尿病や高血圧などが原因で腎機能が低下すると、カルシウムを含む必須ミネラルが尿中に流出しやすくなります。その結果、血中カルシウム濃度が低下します。
続発性副甲状腺機能亢進症
血中カルシウムが低下すると副甲状腺はPTHを分泌し、骨からカルシウムを放出させて血中濃度を上げようとします。しかし腎臓が正常に再吸収できないため、放出されたカルシウムも尿に流れ、再びPTH分泌が促進されます。この悪循環により血中カルシウムは低いまま、骨密度は減少します。副甲状腺自体に異常があるわけではなく、腎臓疾患が一次的な原因となっているため「続発性」と呼ばれます。
診断と治療
高カルシウム血症の診断は血中PTH濃度と尿中カルシウム量の測定で行います。血中カルシウムが低く尿中が高い場合は腎機能の評価が必要です。一次性副甲状腺機能亢進症では副甲状腺の摘出が唯一の治療法ですが、続発性の場合は腎疾患の管理・治療によりカルシウムの漏出を抑え、PTHレベルを正常化させます。
