Agrobacterium とモルゴロン病
モルゴロン症とは
モルゴロン症は、皮膚に繊維様物質や痛みを伴う病変が現れる不思議な皮膚疾患です。2001年に初めて報告され、痒みや皮膚下で何かが這うような感覚、そして傷口からカラフルな繊維が出ることが特徴です。顕微鏡で観察すると赤・青・緑など様々な色の繊維が確認され、米国全州および15か国で症例が報告されています。
Agrobacterium(アグロバクテリウム)とは
Agrobacterium tumefaciens は土壌中に生息する細菌で、植物の根や茎に傷がつくと侵入し「クラウンガル病」を引き起こします。植物の傷口から感染し、腫瘍様の腫れを形成します。
可能性のある関連性
研究者ヴィタリー・シトフスキーは Agrobacterium tumefaciens を用いた研究を行い、モルゴロン症患者から採取した繊維を分析しました。その結果、自然繊維や合成繊維とは異なる構造が確認され、患者の生体検査で Agrobacterium が検出されました。シトフスキーは、モルゴロン症と Agrobacterium の間に何らかの関係がある可能性を示唆しています。
感染経路
園芸作業中に皮膚に傷があると、土壌中の Agrobacterium が体内に侵入しやすくなります。また、モルゴロン症患者の一部はライム病(ボレリア・ブルグドルフェリ)に感染していることが報告されており、ダニが媒介するライム病と Agrobacterium の併発が新興疾患の一因である可能性があります。
研究の現状
現在、モルゴロン症の原因解明と治療法開発が進められています。根本的な治療薬はまだなく、抗菌療法に耐えられない患者や症状が多様なため、治療は困難です。さらなる臨床研究と基礎研究が求められています。
