乳房痛(マスタルジア)の症状と対策
マスタルジア(乳房痛)は、マヨクリニックの調査によれば、女性の生涯で最大70%が経験し、月に5日以上中等度から重度の痛みを感じる女性は約10%に上ります。乳房痛は「周期性」(月経周期に関連)と「非周期性」(月経と無関係)に大別され、症状や出現パターンが異なります。閉経後の女性では比較的少なくなります。
周期性乳房痛の症状
周期性マスタルジアは月経周期と強く関係し、月経開始の約2週間前に痛みが増強し、月経が始まると徐々に軽減します。痛みは鈍く、重く、鈍痛として感じられ、乳房の腫れやしこり感を伴うことがあります。通常は両胸、特に上外側部に現れます。最も多いのは20代・30代のプレ更年期女性と、40代の更年期前後の女性です。
非周期性乳房痛の症状
非周期性マスタルジアは月経周期に左右されず、痛みが断続的に現れたり、常に続いたりします。主に締め付け感、焼けつくような痛み、または疼痛として感じられ、片側の乳房の特定部位に集中することが多いですが、乳房全体に広がることもあります。閉経後の40代・50代の女性に多く見られます。
乳房以外由来の痛み(外乳房痛)
胸筋の緊張や損傷など、乳房以外の部位が原因で胸壁に痛みが走り、乳房痛と誤認されることがあります。これを外乳房痛と呼びます。
主な原因
マスタルジアの原因は一つに特定できないことが多く、以下のような要因が関与すると考えられます。
- 生殖ホルモンの変動(特に周期性の場合)
- 乳腺の嚢胞、手術後遺症、外傷などの解剖学的変化
- 脂肪酸バランスの乱れによる乳腺組織の感受性亢進
- ホルモン剤(不妊治療薬、経口避妊薬、抗うつ薬など)の使用
- 胸が大きい女性は、首・肩・背中の筋肉緊張とともに非周期性痛が起こりやすい
症状緩和の方法
自宅でできる対処法として、温湿布や冷湿布の交互使用、カフェイン摂取の制限、サポート力の高いブラジャー(運動時や睡眠時はスポーツブラ)の着用が有効です。また、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの市販鎮痛薬も症状軽減に役立ちます。痛みのパターンを把握するために日記をつけると、周期性か非周期性かの判断材料になります。
さらに、周期性マスタルジアには経口避妊薬の使用や投薬量の調整が有効とされ、非周期性の場合は外用型非ステロイド性抗炎症薬の塗布が症状改善に寄与します。
