マグネシウムと末梢動脈疾患

米国農務省(USDA)の食事ガイドラインによれば、健康に不可欠なミネラルであるマグネシウムは、多くの米国成人が十分に摂取できていません。マグネシウム不足は末梢動脈疾患(PAD)を悪化させ、約800万人の米国人がこの病気に罹患しています。米国心臓協会は、PADが心筋梗塞や脳卒中のリスクを最大5倍に高めると指摘しています。食事にマグネシウムを取り入れることで、PADのリスクと症状を軽減できる可能性があります。

末梢動脈疾患(PAD)とは

PADは、心臓から全身の組織へ酸素豊富な血液を運ぶ血管に起こる循環器疾患です。動脈壁に脂肪が蓄積し、血管が狭くなることで血流が阻害され、心臓、脳、腎臓、胃、腕、脚、足へ十分な酸素が届かなくなります。その結果、疲労感や筋肉の痙攣、さらには心筋梗塞や脳卒中といった重篤な症状が現れます。

PADの罹患率

65歳以上の米国人の約20%がPADに影響を受けており、年齢とともにリスクは上昇します。USDAの調査によると、1990年代以降、特に高齢者のマグネシウム摂取量は十分でなく、現在でも改善が見られません。高齢化が進むにつれて、マグネシウム欠乏とPADは今後も重要な健康課題となるでしょう。

マグネシウム摂取でPADリスクを低減

マルチビタミンに含まれるマグネシウムや、マグネシウムが豊富な食品を積極的に摂取することで、PADのリスクやその後遺症を軽減できます。2007年の『European Journal of Nutrition』の研究では、心不全患者が経口マグネシウムを補給した結果、血管の炎症が減少し予後が改善されたことが報告されています。また、2004年の『Stroke』誌に掲載された研究では、血清マグネシウムが低い患者は高度動脈硬化を伴うPADで脳血管イベントのリスクが高まると指摘され、マグネシウム補給が有効である可能性が示唆されました。

マグネシウムの推奨摂取量

USDAは、サプリメントに頼るよりも多様な食品から栄養を摂ることを推奨しています。成人のマグネシウム1日の推奨摂取量は約400mgです。年齢や健康状態に応じて必要量は増減することがあります。

マグネシウムを多く含む食品

マグネシウムが豊富な食品には、ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜、ナッツ、種子、乾燥豆、全粒穀物、パン、シリアルがあります。海産物、肉類、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)も良い供給源です。調理時は加熱時間と水の使用量を最小限に抑えると、食品中のマグネシウム流失を防げます。

医学的状態 - 関連記事