尿崩症(DI)の原因・タイプ・症状・診断・治療法

「糖尿病」という言葉を聞くと、インスリン不足や血糖値の問題を思い浮かべる人が多いですが、尿崩症(Diabetes Insipidus)は全く別の疾患です。尿崩症は腎臓が水分を適切に再吸収できず、結果として大量の尿と激しい渇きを引き起こす疾患です。放置すると脱水症状が主な合併症となります。

原因

  • 尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH、別名バソプレシン)が十分に分泌されない、または腎臓がこのホルモンに反応しないことが原因です。ADHは視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されます。

タイプ

  • 中枢性尿崩症:視床下部や下垂体の損傷(外傷、感染症など)によりADHの分泌が低下します。
  • 腎性尿崩症:腎臓がADHに対して適切に反応しない状態で、特定の薬剤、腎疾患、または高カルシウム血症が原因となります。

症状

  • 激しい渇き(ポリディプシア)と大量の尿(ポリウリシス)が最も顕著です。体内の水分バランスが崩れるため、頻繁に水分を補給したくなります。
  • 夜間頻尿や寝床での失禁が起こることもあります。

診断

  • 血液検査と尿検査で体内の水分量や濃度を測定します。
  • 水分制限試験(ウォーターデプリベーションテスト)により、尿量や体重の変化を観察します。
  • 必要に応じてMRIやCTで脳の構造的異常を確認します。

治療法

  • 原因が薬剤によるものの場合、該当薬の中止で自然に回復することがあります。
  • 中枢性尿崩症では、合成ADH(デスモプレシン)を投与することで症状が改善します。
  • 腎性尿崩症では、原因となる薬剤の変更や低塩分・低カルシウム食、利尿薬の調整が行われます。
  • 軽度の場合は、十分な水分摂取と生活指導で管理できることもあります。

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