女性の下腹部痛の原因と対処法
下腹部の痛みは、軽度の不快感から生命に関わる重大な状態まで、さまざまな原因が考えられます。特に、以下のような症状が同時に現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 膣や直腸からの出血
- 嘔吐
- 首・肩・胸部の痛み
異所性妊娠・流産
妊娠の可能性がある状態で下腹部や骨盤に痛みがあり、かつ膣出血がある場合、異所性妊娠や流産の可能性があります。異所性妊娠は受精卵が子宮外(主に卵管)に着床する状態で、緊急手術が必要になることがあります。流産は妊娠が自然に終了し、胎児が排出されることを指し、早期に起こります。
骨盤炎症性疾患(PID)
骨盤炎症性疾患は、子宮・卵管・卵巣に細菌が感染し、下腹部に鈍い持続性の痛みと膣分泌物を伴います。性行為感染症が原因になることが多く、抗生物質(ドキシサイクリンやメトロニダゾールなど)で治療します。
膀胱炎
膀胱炎は尿路感染症の一種で、下腹部の軽い痛みと排尿時の焼けるような痛みが特徴です。細菌感染、衛生用品、薬剤、殺精子剤などが原因となります。放置すると腎盂腎炎へ進行する恐れがあるため、尿培養に基づく抗生物質で治療します。
月経痛
月経前後に下腹部が痛むのは一般的です。痛みは数日前から始まり、通常2〜3日続きます。イブプロフェンなどのNSAIDsや、医師の処方による鎮痛剤で緩和できます。温熱療法(ホットパックや温浴)も有効です。
子宮内膜症
子宮内膜組織が子宮外に存在する疾患で、出血と炎症を繰り返し、周期的な疼痛や性交時痛を引き起こします。骨盤嚢胞や腸閉塞を合併することもあります。ホルモン療法やステロイドで症状が改善しない場合は手術が検討されます。
子宮筋腫
子宮筋層にできる良性腫瘍で、しこり状の硬い腫瘍が形成されます。癌ではなく成長は緩やかですが、月経過多や不規則出血を伴うことがあります。治療は経口避妊薬、子宮内膜掻爬(D&C)、筋腫切除手術、重症例では子宮全摘術が行われます。
その他の疾患
下腹部痛は女性に限らず、虫垂炎、憩室炎、腸閉塞、腎結石、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、便秘など多様な原因があります。正確な診断と適切な治療のために医師の受診が必要です。
