メタボリックシンドロームと肥満について
メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドロームは、代謝に関わる複数の危険因子が同時に存在する状態です。主な因子は、腹部肥満・高血圧・インスリン抵抗性・炎症状態(血中C反応性タンパク質の上昇)・動脈硬化性脂質異常(高コレステロールなど)です。
リスク
メタボリックシンドロームと診断された人は、冠動脈疾患や動脈硬化による脳卒中、末梢血管疾患、2型糖尿病のリスクが高まります。米国では約5,000万人がこの症候群を抱えていると推定されています。
特に腹部肥満とインスリン抵抗性が主要な危険因子です。インスリン抵抗性は、インスリンが十分に働かず、血糖調節が乱れる代謝異常を指します。メタボリックシンドロームは「インスリン抵抗性症候群」とも呼ばれます。
その他の要因
身体活動不足、加齢、遺伝的素因、ホルモンバランスの乱れもメタボリックシンドロームの発症に関与します。遺伝的にインスリン抵抗性になりやすい人は、運動不足や過剰な体脂肪と組み合わさることでリスクが増大します。現在、分子レベルでの詳細な関係は完全には解明されていません。
診断
現時点で統一された診断基準はありませんが、米国国立コレステロール教育プログラム(NCEP)の基準が広く用いられています。米国心臓協会と国立心肺血液研究所の指針では、以下の5項目のうち3項目以上が該当することを診断基準としています。
- ウエスト径が男性で102cm(40インチ)以上、女性で88cm(35インチ)以上
- 血圧の上昇(130/85 mmHg 以上)
- 空腹時血糖の上昇(100 mg/dL 以上)
- HDLコレステロールの低下(男性で40 mg/dL 未満、女性で50 mg/dL 未満)
- 中性脂肪(トリグリセリド)の上昇(150 mg/dL 以上)
治療
メタボリックシンドロームの管理・治療には、体重減少、定期的な運動、バランスの取れた食事が基本です。これらの生活習慣改善により、血圧や血糖、脂質異常の改善が期待できます。
