肩甲挙筋の緊張と呼吸困難の関係
肩甲挙筋は肩と首の動きをサポートする重要な筋肉です。首が硬くなり、頭を左右に回すのが苦痛になるときは、肩甲挙筋が関与していることが多いです。浅い呼吸は横隔膜よりも首や肩に負担をかけ、肩甲挙筋が緊張すると胸式呼吸が助長されます。ここでは、肩甲挙筋の緊張が呼吸に与える影響と改善策を解説します。
筋肉の緊張と怪我
肩甲挙筋が過度に伸びすぎたり短くなったりすると、首や肩に痛みが生じます。むち打ちや肩甲挙筋症候群などの外傷も同様に筋肉を損傷します。重いリュックやバッグを片側だけで背負うと、筋肉に過度な張力がかかります。緊張した肩甲挙筋は胸式呼吸を助長し、腹式呼吸ができなくなるため、息切れや倦怠感が起こりやすくなります(参考:小倉忠夫医師『呼吸の技法』)。根本原因に対処すれば、呼吸障害の予防につながります。
姿勢の悪さ
トーマス・マイヤーズ氏(認定ロール認定指導者)によれば、頭を前に突き出す「亀の姿勢」は肩甲挙筋への負荷を増大させます。筋肉の痛みが浅い呼吸を誘発し、さらに肩や首の筋肉に依存した呼吸サイクルが固定化します。肩が前方に丸まった状態で歩くと、肩甲挙筋が過緊張になりやすく、正しい呼吸が困難になります(出典:『頭痛のメカニズム』)。姿勢改善は呼吸効率向上の第一歩です。
頂部呼吸(アピカルブリージング)
小倉医師は、頂部呼吸では横隔膜の動きがほとんどなく、肩・首の筋肉と肺上部だけで呼吸が行われると指摘しています。長期的にこの呼吸様式が続くと、肩甲挙筋の緊張が慢性化し、過呼吸、めまい、四肢のしびれ、心拍数上昇などの症状が現れます。運動時のパフォーマンス低下や不安感の増大も報告されています。対策は、肩甲挙筋のストレッチだけでなく、腹式呼吸への切り替えと筋緊張の緩和です。
肩甲挙筋の緊張を和らげ、正しい姿勢と腹式呼吸を身につけることで、呼吸困難や疲労感の軽減が期待できます。
