小児の部分てんかんに対する迷走神経刺激(VNS)
部分てんかんは子どもの日常生活に大きな影響を与え、薬だけでは十分にコントロールできないことがあります。迷走神経刺激(VNS)は薬と併用することで、部分発作を含むすべての発作を抑制し、生活の質を向上させます。VNS装置はペースメーカー程度の大きさですが、子どもの脳への負担を軽減する重要な役割を果たします。
歴史
1930年代に、迷走神経を刺激すると脳波の同期が止まることが発見されました。50年後、技術の進歩により迷走神経刺激がてんかん治療に応用できるようになり、1997年に米国食品医薬品局(FDA)がVNS療法の使用を承認しました。
概要
VNS装置は小型の発電機で、胸部に外科的に埋め込まれます。リード線は胸部から首へと通され、迷走神経を巻き付けます。装置は24時間、数秒間の短い電流パルスを数分ごとに送出し、パルスの頻度は個々の症状に合わせて医師が調整できます。
機能と使用方法
部分発作の前兆を感じた子どもは、装置上に磁石をかざすことで追加の電流パルスを送ります。磁石は時計やキーホルダー、ベルトタグなどに埋め込むことができ、発作の開始を抑制したり、持続時間や重症度を軽減したりします。
副作用
手術後に声がかすれる、喉が痛む、切開部の感染などが起こることがあります。装置がパルスを送る間は、首や喉のチクチク感、咳、声の変化を感じることがあります。
管理と考慮点
診察時にハンドヘルドコンピュータと専用のワンドで装置を読み取り、パルスの頻度やバッテリー残量を調整します。バッテリーは5〜10年で交換が必要で、交換手術は全身麻酔下で外来手術として行われます。
