痙性二等型脳性麻痺とは?
脳性麻痺(CP)は、脳と神経・筋肉の連携がうまくいかず、運動機能の発達に支障が出る障害です。胎児期や乳児期に発症しやすく、上肢・下肢の両方に症状が出ることがありますが、特に下肢に症状が集中している場合は「痙性二等型脳性麻痺(spastic diplegia)」と呼ばれます。
歴史
19世紀半ば、ウィリアム・リトル医師が現在の痙性二等型脳性麻痺を初めて報告しました。リトルはこの病気の子どもたちを観察し、歩行や関節可動域に困難があることを記録しました。当時は症状が加齢とともに悪化しないことから、進行性ではないと考えられました。リトルは酸素欠乏が原因と仮説しましたが、現代の医学では明確な原因はまだ解明されていません。
痙性症状
「痙性(spastic)」は筋肉が緊張し硬直する状態を指します。痙性二等型脳性麻痺の患者は、腕・脚・頭部・胴体の筋肉が硬くなり、時に不随意に急激な「痙攣」や「ねじれ」動作が見られます。
診断
脳性麻痺は大きく4つのタイプに分類され、さらに9つのサブタイプが存在します。痙性二等型はその中で最も頻度が高いサブタイプです。子どもが発達マイルストーン(ハイハイ、座位、歩行など)を達成できない場合、医師が詳細な身体検査や画像診断、運動機能評価を行い、痙性二等型かどうかを判断します。
歩行(ガイト)
痙性二等型の子どもは歩行に特徴的な変化が見られます。重症例では股関節や膝関節が屈曲し、立ち上がると脚が交差する(シザリング)姿勢になることがあります。成長に伴う体重増加で歩行がさらに困難になり、車椅子が必要になるケースもあります。軽度の場合は装具やブレースを使用して歩行姿勢を改善することが可能です。
治療
根本的な治療法はありませんが、患者の自立を目指した包括的リハビリテーションが中心となります。理学療法・作業療法に加え、装具や歩行補助具、場合によっては外科的介入が行われます。医師、看護師、ソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士、そして保護者が連携し、患者本人の希望や生活状況を踏まえた個別プランを作成します。
