感覚統合障害(SPD)とは?

概要

感覚統合障害(Sensory Processing Disorder、SPD)は、感覚情報が脳で正しく処理・解釈されない神経学的な状態です。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚だけでなく、体の位置感覚(固有受容感覚)も影響を受けます。障害の程度は人によって異なり、感覚が過敏になる場合や逆に感覚刺激を過度に求める場合があります。

原因

SPDは遺伝的要因が強く、家族内で発症しやすいことが知られています。ウィスコンシン大学の研究では、妊娠中の適度なアルコール摂取とストレスが胎児の触覚過敏を引き起こすことが示されましたが、現在のところ正確な原因は解明されていません。

主な症状

SPDの症状は多様です。過敏型は衣類のタグや大きな音に過剰に反応し、時には嘔吐まで起こすことがあります。感覚刺激を求める型は、他人を強く抱きしめたり、物を叩いたりします。痛覚が過敏な人もいれば、ほとんど痛みを感じない人もいます。日常生活の基本的な動作(着替え、入浴、睡眠、食事)や遊び、学習に支障が出やすいです。

診断

SPDは現在DSM‑5には掲載されていません。診断は主に作業療法士が行い、臨床上の症状や行動観察に基づいて評価されます。

治療・管理

治療の中心は作業療法で、日常生活動作の自立を支援します。食事、着替え、入浴、睡眠などのスキル向上を目指します。また、言語療法や感覚統合療法も併用されます。子どもには感覚遊びが有効で、ジャンプやブランコ、走るといった大筋運動や、極端な質感の玩具で触覚を刺激する活動が推奨されます。治療は症状の重さに応じて個別に調整されます。

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