子どもの抜毛(トリコチロマニア)とは?原因・症状・対策
統計
米国トリコチロマニア学習センターによると、米国人口の約2〜4%(2000万〜4000万人)が抜毛症を抱えていると推定されています。メンタルヘルス・アメリカの調査では、抜毛行為は12〜13歳で始まるケースが多いものの、1歳児にまで見られることがあります。
症状とサイン
抜毛症の疑いがある場合、日常生活の中で子どもの行動を注意深く観察しましょう。典型的なサインは次のとおりです。
- 眉毛、まつげ、頭髪、体毛などを抜く行為が繰り返される
- 抜いた後に一時的な快感や緊張の緩和を感じる
- 抜毛部位に明らかな脱毛が見られる
- 指しゃぶり、頭を叩く、爪を噛む、皮膚を掻くといった他の自己刺激行動が併発することがある
原因
子どもの抜毛の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与している可能性があります。
- 遺伝的要因や神経生物学的な異常
- ホルモンバランスの変化
- 不安、怒り、フラストレーションなどの感情を和らげるための対処行動としての抜毛
- 虐待、離婚、親族や友人の死、転校などのストレスフルな出来事がトリガーになることもある
診断
小児科医が抜毛の有無を確認した後、必要に応じて皮膚科医や精神科医へ紹介されます。診断の一環として、抜毛の頻度や部位を記録した日誌の提出や、場合によっては毛髪の生検が行われることがあります。
予防・対策
抜毛行為を減らすためには、以下のポイントを実践しましょう。
- 子どもの行動を観察し、抜毛を誘発するトリガーを特定する
- 家庭や学習環境のストレスをできるだけ減らす
- 抜毛が起きた時間帯、感情状態、状況などを記録したログブックをつけ、治療者と共有する
治療
抜毛症の治療は、認知行動療法(CBT)を中心に、必要に応じて薬物療法や支援グループが組み合わされます。
- 認知行動療法では、抜毛の引き金や思考パターンを分析し、代替行動やリラクセーション技法を学びます。
- 抗うつ薬や抗不安薬などの処方薬は、抜毛に伴う不安や抑うつを緩和する目的で使用されますが、抜毛そのものを止める直接的な薬はありません。
- 支援グループは、同じ悩みを抱える家族同士の情報交換や心理的サポートの場として有効です。
