TENS(経皮的電気神経刺激)システムの概要と活用法
加齢や関節炎に伴う慢性的な痛みは、日常生活に支障をきたすことがあります。医師は薬物療法や温熱・冷却、運動療法などを組み合わせて症状緩和を目指しますが、近年ではTENS(経皮的電気神経刺激)システムが理学療法の一環として注目されています。自宅で痛みの程度に合わせて手軽に使用でき、短時間の痛み軽減に効果があります。
特徴
- TENSユニットは一般的なスマートフォン程度のサイズの矩形ボックスです。電源ユニットと2〜4本の電極パッドがケーブルで接続され、痛み部位に電極を貼り付けて使用します。
- スイッチを入れると軽い電気刺激が体に伝わり、5〜15分程度のセッションで痛みを和らげます。外出時はポケットに入れて歩き回り、痛みが出たらオンにすることも可能です。
- 根本的な治療ではなく、あくまで一時的な緩和を目的とした補助的な手段です。
歴史
- 1965年、ロナルド・メルザック博士とパトリック・ウォール博士が提唱した「ゲートコントロール理論」に基づき、電気刺激が脊髄の痛み伝達経路を閉じることで痛みを抑制するとされました。
- 古代ギリシャでは電気ウナギを用いた頭痛・痛風治療が行われ、19世紀にも医師が電流を利用した鎮痛法を試みていました。
主な使用例
- 手術後の疼痛、滑液包炎、頭痛、関節炎、腱炎などの慢性疼痛
- がん患者の神経障害性疼痛、分娩時の陣痛、スポーツ外傷や外科的外傷による急性疼痛
- 糖尿病性神経障害など、電気刺激が有効とされる様々な疼痛症状
注意点・禁忌
- 心臓疾患やペースメーカー、除細動器を使用している人は使用しないでください。
- 電極パッドの接着剤にアレルギーがある場合は皮膚トラブルを起こすことがあります。
- 目、心臓、脳、喉の近くに電極を貼付しないこと。刺激が強すぎると皮膚がやけどする恐れがあります。
