患者自己管理型疼痛ポンプ(PCA)プロトコル

患者自己管理型鎮痛(PCA)は、患者が静脈内デバイス(通称「疼痛ポンプ」)を用いて、設定された用量を自分で投与できるシステムです。通常、適切な訓練を受けた看護師が装置の設定・管理を行い、病院のPCAチーム(看護師、薬剤師、麻酔科医など)が患者の状態をモニタリングします。

適応症

  • 急性または慢性の疼痛緩和が必要な患者。外科手術後のモルヒネ投与や重度外傷後の疼痛管理に有効です。
  • 経口薬で疼痛が十分にコントロールできない慢性疼痛患者。
  • がん患者の生活の質向上を目的とした疼痛管理。

ガイドライン

  • 患者の疼痛評価スコアに基づき、ポンプの投与量を設定する。
  • 疼痛スコアは10点中5点以下を目安とし、安静が保てる状態を維持する。
  • 使用機器は手元に置き、滅菌・プライム済みであることを確認する。
  • 投与前に用量を二重チェックする。
  • 呼吸数が8回/分未満になった場合は直ちに投与を中止し、コードを呼び出す。
  • 嘔吐、持続的疼痛、掻痒感(かゆみ)が生じたら報告する。
  • 静脈留置部位とチューブは72時間ごとに交換する。

制限事項

  • 処方医の書面同意なしに、鎮痛薬以外の麻薬や鎮静薬を混合投与してはならない。
  • 血液製剤はPCAチューブと同時に投与しない。
  • PCAポンプのプログラムは、薬剤師または登録看護師が二次確認を行うこと。
  • 鎌状赤血球症患者は継続的な脈拍モニタリングが必要。
  • 緊急時に備え、蘇生設備をベッドサイドに常備する。

合併症と対処法

  • 呼吸抑制が起きた場合は、ナロキソン投与などの救急処置を実施する。
  • アナフィラキシーショックは即時に治療し、蕁麻疹、かゆみ、腫脹、呼吸低下を確認する。
  • 注射部位が腫れる(浸潤)場合は、別の部位に交換する。
  • チューブのねじれや結び目により液体が逆流しないよう、常にゆるく保つ。

上記のプロトコルは、患者の安全と疼痛コントロールを最適化するための基本指針です。実施時は施設ごとの手順と併せて遵守してください。

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