ストリキニンが人体に及ぼす影響
ストリキニンはモルヒネ、キニーネ、エフェドリン、ニコチンと同じ系統に属するアルカロイドで、東南アジアやインド原産のストリキノス・ヌックス・ヴォミカの種子から採取されます。主にネズミ駆除剤として使用され、獣医療では少量の刺激薬として利用されることもあります。成人が100〜200 mgを摂取すると致死量とされ、少量でも窒息による死が報告されています。
不安・興奮
曝露後15〜30分で症状が現れ、最初は激しい痙攣が起こることもありますが、多くは不安感や落ち着きのなさとして現れます。神経インパルスの阻害と感覚過敏が原因で、刺激に対する反応が過敏になり、やがて痙攣へと移行します。
痙攣
ストリキニンは脊髄の反射刺激性を高めるため、背中が痛烈に反り返るような激しい痙攣が特徴です。最初は軽いけいれんでも、すぐに全身の筋肉が制御不能に収縮し、触覚や音により再発します。足、顔、手、口なども痙攣し、口は不自然な笑顔になることがあります。
激痛
筋肉の激しい痙攣により、全身に強い痛みと張りが生じます。短時間の緩和と再び痙攣が交互に起こり、毒素が体内から除去されるまで続きます。ストリキニン中毒は迅速かつ平穏に死に至るものではなく、苦痛が長時間続くのが特徴です。
呼吸不全・死
痙攣により呼吸筋が疲弊し、肺を正常に動かせなくなることで呼吸不全が起こります。瞳孔散大や皮膚の青白さが死の兆候です。急性中毒から生存した場合、長期的な健康被害は少ないものの、低濃度の長期曝露は脳障害や腎不全を引き起こすことがあります。
