アルコール中毒の応急処置と救急搬送の手順
アルコール中毒(アルコール中毒症)には確実な「治療薬」はありません。体内にアルコールが急速に吸収され、代謝には1杯のビールやワイン、ウイスキーで約1時間かかります。大量に短時間で飲んだ場合や、メタノールなど飲用に適さないアルコールを摂取した場合は、すぐに119番へ電話し、医療機関の指示を仰ぐことが最優先です。以下では、救急搬送までの間にできる応急処置のポイントを紹介します。
呼吸を確保する
嘔吐や意識不明に陥ると、誤嚥による窒息の危険があります。患者を座位にさせるか、側臥位にして嘔吐物が気道に入らないようにしましょう。嘔吐は余分なアルコールを体外へ排出するため有益ですが、気道が完全に確保されていることを常に確認してください。
意識を保つ
アルコール中毒では「寝かせて様子を見る」ことが致命的になることがあります。患者が眠り込まないよう、声をかけ続けたり、軽く体を揺すなどして覚醒状態を保ち、必ず sober な人が見守るようにしてください。
体温を保つ
アルコールは体温を下げる作用があります。寒冷環境や薄着の場合は、暖かく乾いた場所へ移し、毛布やコートで体を覆いましょう。冷水浴などの「二日酔い対策」は逆効果になるので避けてください。暖かく保ちつつ、眠りに誘わないよう注意が必要です。
水分補給を行う
脱水は重篤化の原因となります。可能であれば点滴でグルコースと水分を補給しますが、救急搬送までの間は少量の水や氷をゆっくりと飲ませましょう。急激に大量の水分を与えると嘔吐を誘発する恐れがあるため、少量ずつ与えることがポイントです。
速やかに医師に連絡する
恥ずかしさや軽視で救急搬送を遅らせると、状態が急速に悪化します。119番通報時には、摂取したアルコールの種類や量、併用した薬物があるかを正確に伝えてください。医療機関では胃洗浄や点滴、24時間のモニタリングにより安全にアルコールを除去します。
